横輪町と矢持町は、昔の文献によると覆盆子谷(いちごだに)と記されており、
 それがなまり一宇郷谷(いちうごうだに)と呼ばれるようになりました。

 その昔、壇ノ浦の合戦(1185)に敗れた平知盛は、従者30名を率い一宇郷一帯に 隠れ住み、
 飛滝谷(とびたきだに)に「飛竜山観音禅寺」(ひりゅうざんかんのんぜんじ)を建立したのが、
 横輪の集落の発祥と言われています。
 当時、飛滝谷は幾度となく天災に見舞われたことから今の地に移り住んだとされています。

 横輪町は、寒暖の差が激しく、四季をとおして様々な草花を楽しむことができます。
 特に春先には全国でも横輪町のみに咲く歴史を秘めた「横輪桜」が雅な姿を見せます。
 また、石垣、ホタル、小川等の里山風景も豊富に残されています。

 周辺には、谷間を流れ落ちる名勝「飛滝」や清流横輪川の流れに侵食されて出来た岩場「おせん淵」等があります。
 それらを巡るハイキングコースを散策しながら森林浴で 心身を癒すことができます。
 また、横輪町中心に、「弘化山桂林寺」(こうかざんけいりんじ)が建立されており、
 観音堂には、室町時代の著名な仏師<定栄>(じょうえい)作の「厄落とし」で有名な十一面観音が安置されています。